更新日:2025年5月28日 (水)

公開日:2024年6月10日 (月)

離婚事件で争点になりやすいポイントと弁護士を立てるメリット

離婚事件で争点になりやすいポイントと弁護士を立てるメリット 離婚事件で争点になりやすいポイントと弁護士を立てるメリット

サマリー

離婚を考える場合、一刻も早く別れたいと願う人は少なくないと思いますが、実際には相手方と対立が起こり、それが解決するまでに長い時間がかかって、なかなか離婚できないということも少なくありません。

そこで今回は、離婚事件で争点になりやすいポイントについて解説します。

争点になりやすいポイント①親権

離婚事件でまず争点になりやすいポイントは、子どもの親権を夫婦のどちらに認めるかという問題です。

この章では、なぜ、親権が争点になりやすいのかと、離婚裁判で親権が争われた場合に、裁判所がどのような基準で判断しているのかについて解説します。

争点になりやすい背景事情

近年、離婚において子どもの親権が争われる機会が増えてきました。

背景には、夫(父)の育児参加が浸透し、夫が子どもに愛着をより感じるようになってきたのは確かです。

そのため、夫婦が離婚するときに、双方が子どもの親権を主張して争いになることが増えてきました。

裁判所の判断基準

裁判所は、多様な基準で親権を判断していますが、主な判断要素は以下のとおりです。

  • 子どもの年齢(幼いほど母との密着度が高いと考えられています)
  • それまでの主な監護養育者
  • 現在の監護状況に問題がないか(別居している場合に指標となります)
  • 虐待やDVがなかったか
  • 子どもの意向

おおよそ、以上のような基準で親権の有無を判断するため、前提として、夫婦双方や子ども、学校や幼稚園、保育園からの聴き取りを行い、場合によっては児童相談所や子どもが通っている病院などに照会をかけることもあります。

これらの調査の結果が、親権者の判断の基礎となります。

なお、親権を決めるにあたって、子どもの意向が大きく反映されるようになるのは、おおよそ12歳程度になってからといわれています。

共同親権制度の導入

2024年、国会で2年後をめどに、離婚後の共同親権制度が導入されることが議決されました。

原則的には、離婚時に、夫婦が協議で単独親権か共同親権を選べますが、話し合いがつかない場合には、どちらにするか裁判所が判断することとなります。

共同親権制度が導入された後も、DVや虐待事案などを中心に、親権をめぐる争いは残ることになると考えられています。

争点になりやすいポイント②面会交流

面会交流も、離婚時ないしそれに先行する別居時に争点になりやすいものです。

以下では、背景事情や、面会交流についてどんな点が争いになりやすいのか、裁判所の判断基準について解説します。

背景事情

面会交流が争点になりやすい背景事情は親権争いと同じように、夫が育児参加するようになったことが挙げられます。

ケースとしては、子どもの年齢や自身の仕事などを考えて、親権者は妻にせざるを得ないものの、面会交流はしっかりさせてほしいという要望が夫側に強く、そのために争いになることが多いといえます。

争いになりやすい点

面会交流で争いになりやすいのは、以下の点です。

そもそも面会交流を実施するかどうか

そもそも面会交流を実施するかどうかという点で争いになることも少なくありません。

このような点が争われるのは、夫婦間のDV子どもに対する虐待があったケースが多いです。

DV被害者たる配偶者や虐待被害者の子どもは、加害者たる配偶者(別居親)と離婚後や別居後に、一切接触したくないので、面会交流の一切を拒絶することが多いです。

一方、加害者たる配偶者(別居親)は、DVや虐待をしているという自覚に乏しく、被害者たる配偶者や子どもに固執するケースも少なくないため、争いになります。

DVや虐待まではないものの、一方配偶者(同居親)や子どもの他方配偶者(別居親)に対する嫌悪感が強い場合でも争われることが多いです。

この場合、面会交流を拒絶される他方の配偶者(別居親)は面会交流を拒否される理由がわからないので、面会交流を希望し、争いになります。

直接交流か間接交流か

面会交流を、実際に別居親と子どもが会う直接交流の方法で行うか、実際には会わず、手紙のやり取りや、オンラインでの通話などの間接交流の方法により行うかという点も争いになりやすいポイントです。

DVや虐待があったものの、そこまで苛烈なものでなかった場合や、子どもの別居親に対する嫌悪感が強いため、刺激が少ない方法での交流をとりたい場合に間接交流が希望されることがあります。一方、別居親たる配偶者の方は直接会いたいという気持ちが強く、争いになることが多いです。

面会交流の頻度・時間

面会交流を実施する点については夫婦の意向は一致しているものの、どれくらいの頻度で1回の時間をどれくらいとるかについて争いになることも非常に多いです。

同居親としては、送り出すための準備に時間がかかることや、友達や習い事、塾等の都合もあり、子どものプライベートの時間が少なくなることを考えて、無理のない範囲で実施したいと考えますが、別居親の方は、なるべくたくさん長い時間会いたいと考えがちであるため、争いになります。

裁判所の判断基準

裁判所としては、主に以下の要素で、面会交流を実施するかしないか、実施するとしてその方法、頻度や時間について判断します。

  • 子どもの年齢
  • DVや虐待の有無、程度
  • 子どもの意向(大きく反映されるのは12歳程度になってからです)

親権争いがある場合と同様、面会交流に関する争いの溝が深い場合には、家庭裁判所の調査官夫婦双方や子ども、学校や幼稚園・保育園に聞き取りを実施し、場合によっては児童相談所や子どもが通院する病院などに照会をかけて調査し、裁判所の判断にこれらを反映させることとなります。

争点になりやすいポイント③養育費

養育費の有無、金額についても争いになることがあります。争いになるのは、以下の点です。

私立学校や大学進学の費用を含めるか

養育費は、当事者間で金額の合意がない場合には、養育費算定表というものを用いて算定されますが、これは、公立学校を基準にした金額で、子どもが大学に進学したケースは、原則的には想定されていません。

ですが、夫婦の間で離婚前に子どもが私立学校に行くことや大学に進学することを合意されていたケースや、夫婦がともに高学歴である場合には、私立学校や大学進学の費用を含めて算定される傾向にあります。

実際の収入がない配偶者の基礎収入をどう見るか

養育費算定表は、夫婦双方の収入をベースに算定されますが、主に妻が専業主婦で収入がなかった場合に、妻の基礎収入をゼロとして算定するかという問題があります。

この点は、一般的に、子どもがまだ親の手を離れない1、2歳という年齢か、保育園や幼稚園以上に通う年齢か等によって判断が変わり、扶養範囲内のパート程度の収入があるものとして妻の基礎収入を認定する場合もあります。

争点になりやすいポイント④財産分与

財産分与は、原則的に夫婦双方が婚姻後に取得した財産を2分の1ずつに分ける方法で行います。相続により取得した財産や婚姻前に取得した財産は対象となりません。

争いになりやすいのは、財産隠しがないかという点や不動産の評価額、不動産の分け方といった点です。

特に不動産の分け方は難しく、次の方法などのパターンがあります。

  1. 売却して売却益を分与する方法
  2. 名義変更する方法
  3. 名義変更しないで他方当事者が居住する方法

しかし、①の方法は、オーバーローンの場合は分与が発生せず、②は他方の配偶者に相応の収入がないと難しく、③は居住している元配偶者からの家賃振込が止まる、ローンが払えず退去せざるを得なくなるリスクがある、とどれも問題がないわけではありません。

夫婦の離婚時の状況に即して、一番現実的な方法を採るしかないといえます。

財産分与については、「離婚時の財産分与とは?財産分与の対象になるものと3つの決定方法」の記事をご参照ください。

争点になりやすいポイント⑤慰謝料

離婚原因が、DV不貞といった一方の配偶者に責任があるケースにおいては、他方の配偶者は有責性ある行為を行った配偶者に対して慰謝料を請求できます。

ですが、DVや不貞の有無、頻度、期間などに争いが生じることも多く、それにより慰謝料の金額が変わることとなります。

慰謝料の請求をする場合は、請求側が証拠をそろえなければなりませんので、写真やSNS、診断書など証拠になりそうなものをしっかり保管しておくことが必要でしょう。

離婚慰謝料については、「離婚で慰謝料請求できる条件や理由」の記事をご参照ください。

まとめ

これまで見たところからわかるとおり、離婚事件は、夫婦相互間の認識や思いがかけ離れていることなどを原因として、様々な点で争点が生まれやすく、そのため、実際に離婚ができるまでにかなりの長期間を要することも少なくありません。

争点を明確化して適切な主張立証を行い、離婚までの期間をできる限り短くするには、専門家たる弁護士の力が必要です。

当事務所には離婚問題に詳しい弁護士が多数在籍しております。どうぞお気軽にご相談ください。

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