更新日:2023年7月25日 (火)

公開日:2023年7月25日 (火)

刑事事件の示談交渉に必要なテクニックと弁護士に依頼するメリット

刑事事件の示談交渉に必要なテクニックと弁護士に依頼するメリット 刑事事件の示談交渉に必要なテクニックと弁護士に依頼するメリット

サマリー

予期せぬことで刑事事件の加害者の立場になったとき、重要となるのが示談交渉です。被害者との示談が成立するか否かによって、その後の展開に影響することがあります。

今回は刑事事件の示談交渉に必要なテクニックと弁護士に依頼するメリットについて解説します。

刑事事件において示談交渉が重要な理由とは?

ここでは、刑事事件において示談交渉が重要な理由を解説します。

早期釈放の可能性が高くなる

逮捕され身柄が拘束されている場合も、被害者との示談が成立していれば早期に釈放される可能性が高まります。

身柄の拘束(勾留)が認められるのは、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があり、かつ、次のいずれかに該当する場合です。

  • 被疑者に定まった住居があることが確認できないとき
  • 被疑者が被疑事実についての証拠を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき
  • 被疑者が逃亡しまたは逃亡するとう疑うに足りる相当の理由があるとき

被害者と示談をすることで、自分の犯した罪を認めて謝罪し、被害を弁償する意思を示せるため、示談が成立すれば、証拠隠滅や逃亡のおそれがないものと判断されやすくなります。

これによって、身柄が釈放される可能性が高まるのです。

不起訴処分の可能性が高くなる

被害者がいる犯罪において、示談が成立しているかどうかは、検察官の起訴・不起訴の判断に影響を与えることがあります。

検察官は起訴・不起訴の判断に際して、被害者の処罰感情や加害者の反省、被害者が受けた被害の回復状況を重視するため、被害者との示談が成立していれば、不起訴処分となる可能性が高まります。示談書の中に被害者から許しをもらっている内容(宥恕条項)が入っていれば、より不起訴の可能性が高まります。不起訴になれば前科はつきません。

刑事処分が軽くなる可能性がある

起訴された場合も、被害者との示談が成立すれば刑事処分が軽くなる可能性があります。裁判官の量刑判断においても、被害者の処罰感情の強弱や加害者の反省・被害弁償の有無などが考慮されるからです。

被害者との示談が成立していれば、裁判官に対し、被害者の処罰感情がかなり和らいでいるという良い心証を与えられるため、刑事処分が軽くなる可能性があります。

紛争の蒸し返しを防げる

刑事事件における示談は、事件の原因となった不法行為に基づく損害賠償責任(民事上の責任)について、加害者と被害者が裁判手続きによらずに話し合いで解決する手続きです。

被害者との示談が成立しない場合、刑事手続きで不利な状況に置かれる可能性があるだけでなく、被害者から後日、民事裁判を起こされる可能性が残ります。

被害者との示談においては、示談書に定める内容以外には当事者間に債権債務がないという清算条項が加えられることが一般的であるため、これにより、民事訴訟を提起されるなど事後的に紛争を蒸し返されるリスクを軽減できます。

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刑事事件の示談交渉が難しい点とは?

ここでは、刑事事件の示談交渉が難しいと言われる理由について解説します。

被害者の連絡先が分からない

示談交渉に着手するためには、捜査機関を通して、被害者の連絡先を教えてもらわなければなりません。しかし、加害者や加害者の家族が被害者の連絡先を捜査機関に問い合わせても、基本的には教えてもらえません。捜査機関は、加害者や加害者家族に連絡先を教えてよいか、被害者の意向を確認しますが、被害者自身が加害者やその家族に連絡先を教えることを了承しないことが多いからです。

加害者が以前から被害者の連絡先を知っていても、逮捕・勾留されている場合、外部の人と連絡を取ることはできないため、加害者自身が被害者と連絡を取ることも不可能です。

被害者が示談交渉に応じてくれない

被害者の連絡先を入手できたとしても、被害者が加害者本人との示談交渉に応じてくれる可能性は低いと考えたほうがよいでしょう。被害者の立場からすると加害者と接触することは恐怖心に駆られるので、拒否反応を示すのは当然のことです。

示談交渉を進めたいがために無理に接触を試みようとすると、さらに強い処罰感情を生む可能性があります。

提示された示談金が相場よりも高い

被害者が示談交渉に応じてくれた場合でも、被害者から提示される示談金が相場より高い可能性もあります。加害者の資力では到底支払えない金額が提示されたために示談が成立しないこともあります。

示談書を不備なく作成するのが難しい

無事に示談が成立したとして、法律知識のない当事者だけで示談書を不備なく作成するのは難しいことです。示談が成立したこと自体が刑事処分に影響するわけではなく、示談書の内容が重要なポイントになるからです。

示談書の中に被害者から許しをもらっているかどうか(宥恕意思)を検察官や裁判官に正確に伝えることが、刑事処分を軽減するために必要となります。

示談成立後、被害者側が損害賠償について蒸し返すことがないように、示談書に清算条項を含めることも必要です。

せっかく示談が成立しても、示談書に不備があると刑事処分の軽減が実現しないこともありますし、再び被害者から損害賠償の請求をされてしまうおそれもあります。

刑事事件の示談交渉にテクニックは必要なのか?

ここでは、刑事事件の示談交渉にテクニックは必要なのかについて解説します。

示談のタイミングをはかるテクニック

刑事事件において、示談のタイミングをはかるテクニックは非常に重要です。以下の2パターンで考えてみます。

加害者が逮捕・勾留されている場合

加害者が逮捕・勾留されている場合は、迅速に被害者との示談交渉を進める必要があります。検察官が起訴・不起訴を判断する前に示談を成立させれば、起訴しない可能性が高くなります。不起訴になれば前科はつきません。

検察官は、勾留期間の満了日までに、起訴・不起訴の判断をします。つまり、身柄事件では逮捕から最長で23日以内に起訴・不起訴が決まるため、なるべく早く示談を進めなければなりません。

仮に起訴されたとしても、示談が成立していれば加害者に有利な事情として考慮されるため、執行猶予が付く、あるいは実刑の場合でも減軽となる可能性があります。

加害者が逮捕・勾留されていない場合

加害者が逮捕・勾留されていない場合でも迅速に示談を進める必要があります。

身柄を拘束されていないため、通常どおりの生活を送っていることから示談交渉のタイミングを逃してしまうと、被害者の心証を害する可能性があります。気付いたら在宅起訴をされてしまい、あわてて示談交渉をしようとしても手遅れになることもありますので、早めに行動を起こすことが肝要です。

適正な示談金を提示するテクニック

示談交渉で大きな問題となるのが示談金です。

被害者との間で示談金の金額で折り合いがつかず、示談不成立になる場合もあります。示談金の適性金額を知らずに低い金額を提示してしまうことで、被害者を怒らせてしまい、示談交渉が決裂することも珍しくありません。

刑事事件の示談金には、罪名ごとに相場の金額がありますので、交渉に先立ち一応の相場を把握しておくことが重要です。

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示談成立後の示談書作成のテクニック

示談成立後に取り交わす示談書の作成にもテクニックが必要です。刑事処分の軽減を望むのなら宥恕意思の文言を盛り込むことが必須ですし、示談成立後に被害者が損害賠償について蒸し返すことがないように清算条項を盛り込むことが重要です。

テクニックが必要な刑事事件の示談交渉を弁護士に依頼するメリットは?

ここでは、刑事事件の示談交渉を弁護士に依頼するメリットについて解説します。

被害者の連絡先開示に応じてもらえやすくなる

加害者本人や家族が捜査機関を通して被害者に謝罪や被害弁償を申し入れても、連絡先すら開示してくれないケースがほとんどです。

弁護士であれば、加害者本人や関係者に開示しないことを前提に、被害者の連絡先を教えてもらえる可能性があります。

加害者が被害者の連絡先を以前から知っていたとしても、被害者が応じてくれなければ示談交渉を進められません。被害者の立場に立って考えてみると、直接加害者と話すことに抵抗を覚えるのは当然のことです。

弁護士が間に入れば、被害者は直接加害者に会わずに済むため、警戒心を解いてくれることが多く、示談交渉に応じてもらいやすくなります。

弁護士が対応することで、示談が早期に成立しやすい

示談交渉には、交渉のタイミング、金額の提示などさまざまなテクニックが必要です。

刑事事件の実績が豊富な弁護士であれば、過去の判例や経験から適正な金額の示談金を提示し、被害者の心情や処罰感情を配慮して交渉を進められます。

弁護士が丁寧かつ適切に交渉することで、早期に謝罪や示談を受け入れてもらえる可能性が高まります。

示談成立後のサポートも弁護士に任せられる

被害者と示談を成立させるだけでは、刑事事件は解決しません。

不起訴処分や刑事処分の軽減を求めるためには、示談書や支払い証明書を捜査機関や裁判所に提出する必要があります。示談書に宥恕文言があるかどうか、被害回復が実現されたか(示談金を実際に支払ったか)どうかによって、捜査機関や裁判所の処分の判断に影響を及ぼすこともあります。

刑事事件の示談交渉に精通した弁護士であれば、被害者の心情に配慮しつつ、加害者に有利に働くよう示談書の内容を慎重に検討できます。不備のない示談書を作成してもらえるので、後日の紛争の蒸し返しを防止できます。

まとめ

刑事事件において、示談交渉が上手くいくか否かはとても重要なポイントです。

焦って誤った対応をして取り返しのつかないことにならないように、刑事事件を起こしてしまったら、なるべく早く弁護士に相談しましょう。

ネクスパート法律事務所には、刑事事件の示談交渉のテクニックに長けている弁護士が多数在籍しています。

当事務所では、謝罪や示談を受け入れてもらえる可能性が高めるため、事案に応じたきめ細かい対応・被害者の心情に配慮した丁寧かつ誠実な交渉を心がけております。

被害者との示談交渉にお困りの方は、ネクスパート法律事務所にご相談ください。

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