更新日:2026年4月22日 (水)

公開日:2023年10月13日 (金)

横領したら返済義務はあるのか?返済できない場合のリスクなど解説

横領したら返済義務はあるのか?返済できない場合のリスクなど解説 横領したら返済義務はあるのか?返済できない場合のリスクなど解説

サマリー

他人のお金や物を横領してしまった場合、きちんと返済しなければならないのは当然のことです。しかし、横領したお金をすべて使い込んだ場合は、どうすればよいのでしょうか?

今回は、横領したお金や物の返済義務と返済できない場合のリスクについて紹介します。

横領をしたら問われる責任は?

ここでは、横領したら問われる責任について解説します。

横領で問われる罪には、次の3種類があります。

単純横領罪 他人から委託され、自己が管理している他人の物やお金について費消、着服、持ち逃げ、贈与等する場合
業務上横領罪 他人から委託され、自己が仕事上管理している物やお金について費消、着服、持ち逃げ、贈与等する場合
遺失物等横領罪 誰の占有にもないもの(落ちていた財布など)を横領した場合

これを踏まえて、問われる責任について考えてみます。

刑事責任

刑事責任とは、刑法および刑法以外で刑罰が定められた法律や条例等に違反して罪を犯したとして刑罰を受ける責任です。刑事手続きが進み、刑事裁判で有罪判決を受けると、横領した側は刑事責任を負わなければいけません。

それぞれの法定刑は、以下のとおりです。

  • 単純横領罪:5年以下の懲役
  • 業務上横領罪:10年以下の懲役
  • 遺失物等横領罪:1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料

業務上横領罪が他の2つよりも重い刑罰に処せられるのは、立場を利用して横領する悪質性の高さからです。例えば、会社で経理を担当していた者が、会社のお金に手をつけてしまった場合などがこれに該当します。

民事責任

民事責任とは、加害者が被害者に与えた損害に対して、賠償責任を負うことです。横領行為は、会社に対して損害を与える不法行為であるため、横領した者には損害を賠償する義務があります。

刑事責任のように警察や検察などの国の捜査機関が関与し、国が罪を犯した者に刑罰を科すものではなく、被害者と加害者が当事者となり私人間の紛争解決を目的として、被害者の権利の保護、被害の回復等を図るのが民事責任です。私的自治の原則により、公序良俗等に反しない限り、当事者間で自由に合意や和解ができます。

家族は責任を問われるのか?

横領罪で責任を問われるのは、横領をした本人のみです。ただし、家族が横領に協力していたら、共犯者として罪に問われる可能性があります。家族が横領したお金を生活費として使った場合は、家族にも返済義務が生じる可能性があります。

横領したお金の返済義務はあるのか?返済できなければどうなる?

ここでは、横領したお金の返済義務とお金を返済できない場合はどうなるのかについて解説します。

返済の見込みがあれば、示談できる可能性がある

横領された被害者が一番望むことは、被害金額を全額返してもらうことです。横領の被害者のほとんどは横領を疑った際、警察に通報する前に事実関係を調査します。

横領の事実がある場合、横領した物を原状のまま返す、あるいはお金を全額返金することができたら、被害者と示談が成立する可能性が高いです。

ギャンブルで使い込むなど返済できない場合、逮捕される可能性が高い

横領したお金をギャンブルなどで使い込んだり、物を誰かに売ったりして、返せない場合、被害者が警察に被害届ないし告訴状を出すことが考えられます。

そうなると警察は捜査に入り、逃亡や証拠隠滅を疑われ逮捕される可能性が高まります。

横領したお金は自己破産しても返済義務は残る

横領したお金を使い切り、返済できない状態になったことで自己破産をしても、被害者への返済義務は残ります。なぜなら破産法で、横領のように悪意を持って行った不法行為に基づく損害賠償請求は、自己破産で免責されないと定められているからです。

横領したお金を返済できない場合はどうすればいいのか?

ここでは、横領したお金を返済できない場合はどうすればいいのかについて解説します。

まずは被害者と話し合いをして、分割で支払いをしていきたいなど、具体的な提案をしてみましょう。その際に実現可能な返済計画を立てて、提示しながら説明をするといいかもしれません。被害者の怒りを鎮めることは難しいかもしれませんが、誠意を持って対応すれば示談が成立することもあり得ます。

横領した場合に、弁護士に相談・依頼するメリット

ここでは、横領した場合、弁護士に相談・依頼するメリットについて解説します。

被害者との示談交渉や分割返済の交渉を任せられる

弁護士が代理人になることで、被害者との示談や分割返済の交渉が任せられます。横領した金額が大きく一括では返済ができないときに、弁護士であれば現実的な返済計画を提示して交渉ができます。

不当な損害賠償請求に対して、的確な対応ができる

横領の被害者は、横領された怒りに任せて不当な損害賠償請求をする場合があります。横領した側が悪いのは当然ですが、不当に大きな金額の損害賠償請求を受け入れる必要はありません。弁護士に相談・依頼することで、請求された損害賠償額が適切なのかどうか、判断できます。

逮捕された場合もあなたの味方として弁護活動ができる

万が一、被害者が警察に被害届を提出し、逮捕されてしまった場合でも弁護士であれば、あなたの味方として弁護活動ができます。逮捕された直後、面会ができるのは弁護士のみです。弁護士が唯一の心のよりどころになることはもちろんのこと、早期釈放、不起訴処分、起訴された場合の保釈・執行猶予付きの判決を得るための弁護活動を任せられます。

まとめ

他人からものを奪ってしまったら、返さなければいけないのは当然のことです。横領も例外ではなく、どんなに大きな金額でも返済義務はあります。

しかし、一括で返せない事情もあることでしょう。そうなると場合によっては逮捕され、実刑が科せられます。可能な限りそうした状況を避けるためにも、横領してしまったらすぐに弁護士に相談してください。

悪いことをしてしまうと、素直に助けを求めることができないかもしれませんが、今後の人生や家族のことを考えて、弁護士とともに軌道修正を図るようにしましょう。

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