更新日:2026年4月21日 (火)

公開日:2022年3月18日 (金)

刑事事件の罰金刑|その詳細と対応策

刑事事件の罰金刑|その詳細と対応策 刑事事件の罰金刑|その詳細と対応策

サマリー

刑事事件の裁判で有罪判決を受けると、以下のうちのいずれかの刑事罰が科せられます。

生命刑(死刑)
自由刑(懲役・禁固・拘留)
財産刑(罰金・科料・没収)
罰金というと、交通違反による罰金を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか?青切符(交通反則告知書)を切られた際は、反則金を支払えば刑事上の責任は問われません。赤切符(告知票・免許証保管証)を切られて罰金を支払った際は、実際の裁判は開かれていませんが、刑事上の責任が問われ、略式手続で有罪が確定しています。

ここでは、刑事事件における罰金刑の詳細と対応策について解説します。

刑事事件における罰金刑とは

罰金刑とは、刑事事件で有罪判決を受けた者から財産を奪う財産刑の1つです。刑罰のうちどのようなものが罰金刑になるのか、および、そのデメリットなどについて解説します。

どのような場合の刑罰か

すべての刑事事件の刑罰に罰金刑が設定されているわけではなく、犯罪の種類によっては設定されていない場合があります。以下に主な刑罰の例を示します。

罰金刑のデメリット

罰金刑におけるデメリットは、主に以下の4つです。

  • 前科になる
  • 職場などに影響がでる
  • 行動制限の可能性がある
  • 資格制限がある

前科になる

前科は裁判の結果科せられた刑罰の履歴なので、罰金刑でも前科がつきます。罰金で済んで良かったと懲役刑より軽いと感じる方がいらっしゃいますが、前科における不利益は懲役刑と同じです。

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職場などに影響がでる

公務員は、国家公務員法や地方公務員法に欠格事由が規定されています。罰金は禁固より軽い刑となるので、法律上の欠格事由にはなりませんが、犯罪の種類によっては、処罰される場合があります。

民間企業の場合は、就業規則に懲戒事由が規定されている場合があります。刑罰の種類ではなく、犯罪行為の事実があったこと自体で処罰されるような規定になっていれば、なんらかの処分を受けます。

就職活動では履歴書の提出が必須ですが、履歴書の種類によっては賞罰を記載するものがあります。罰金刑は刑罰ですので、前科として記載しなければなりません。故意に記載しなかった場合は、虚偽の申告とみなされ、採用後でも処分をうける可能性があります。

逮捕されると会社に逮捕された事実が知られてしまう可能性があります。知られた場合、不起訴処分で終了したか、刑罰を受けたかで会社からの処分が変わる可能性があり、その後の働き方にも大きく影響します。

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行動制限の可能性がある

渡航先の国によっては、入国やビザの申請時に、刑事罰を受けたことがあるかどうかを確認する場合があります。内容によっては、ビザの発給や入国許可の判断材料になるので、気軽に海外旅行に行けなくなる可能性があります。

資格制限がある

前科があることで、保有している資格を使用した仕事に制限があったり、資格を一定期間取得できなかったりする制限があります。すべての資格に対して制限があるわけではなく、罰金の原因となった法律が資格に密接に関係している場合が対象です。

例)一級建築士、二級建築士又は木造建築士

(絶対的欠格事由)

第七条 次の各号のいずれかに該当する者には、一級建築士、二級建築士又は木造建築士の免許を与えない。

三 この法律の規定に違反して、又は建築物の建築に関し罪を犯して罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者

引用元:e-Gov法令検索 建築士法

(相対的欠格事由)

第八条 次の各号のいずれかに該当する者には、一級建築士、二級建築士又は木造建築士の免許を与えないことができる。

二 この法律の規定に違反して、又は建築物の建築に関し罪を犯して罰金の刑に処せられた者(前条第三号に該当する者を除く。)

引用元:e-Gov法令検索 建築士法

 

例)医師

第四条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。

三 罰金以上の刑に処せられた者

引用元:e-Gov法令検索 医師法

ただし、これらの資格制限について、以下のような場合は刑の言い渡しは効力を失うとされており、制限がなくなります。

  • 刑の執行が終わった場合
  • 禁固以上の刑の執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで10年を経過した場合
  • 罰金以下の刑の執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで5年を経過した場合
  • 刑の免除の言い渡しを受けた者が、言い渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで2年を経過した場合

この他にも、罰金刑を受けた際の資格制限等の規定がある法律があります。資格を取得しようとしている方、取得している方は罰金以上の刑は避けなければなりません。

罰金刑の相場

罰金の上限は犯罪の種類によって異なり、最低金額は1万円です。犯罪の程度や被疑者の状況によっても増減します。以下のような時には、高額になる場合があります。

  • 被害が大きい
  • 被害者が多い
  • 再犯である
  • 被害弁償ができていない

以下に罰金刑を含む刑罰の一部を示します。

罰金刑以外の罰則金

科料

罰金刑と同じ刑事罰ですが、罰金刑より金額が低く、1,000円以上10,000円未満です。

過料

過料は刑事罰ではなく、行政上の軽微な違反について定められた行政罰です。刑事罰ではないので、支払いができなくても労役場留置にはなりません。

反則金

反則金は刑事罰ではなく、交通反則通告制度に基づいて科せられる行政罰です。青切符といわれるもので、本来は刑事罰を受けるべきものですが、軽微なものは行政上の手続で反則金を納付すれば、刑事事件化しないとされています。

ただし、反則金を支払わない場合は、刑事事件になり、より重い罰金刑や懲役刑を受ける可能性があります。

罰金の支払方法

刑事裁判で罰金刑を受けたら、速やかに罰金を支払いましょう。ここでは、その支払い方法や支払わなかった場合について解説します。

支払先

罰金の支払先は、検察庁の徴収担当係です。納付された罰金は検察庁が使うものではなく、国庫に入り、国の予算として使用されます。

支払方法

罰金刑が確定すると、検察庁の徴収担当係から納付の通知書が届くので、指定された金融機関に納付するか、検察庁の徴収担当係に出向き直接納付します。

罰金は、原則として現金で納付します。金額とともに納付期限が記載されているので、期限内に支払います。原則一括での支払いが原則で、やむを得ない事情があり一括で支払えない場合は、徴収担当係へ相談しましょう。特別な事情があると認められれば、分割での支払いが可能です。

支払わないとどうなる

罰金刑が確定しても、実際に手持ちのお金がなく、支払いができないときはどうなるのでしょうか。

罰金を支払わなかった場合は以下の流れになります。

①徴収担当者から支払うよう連絡がくる

②強制執行

③任意の呼出

④罰金の代わりに労役に服すよう命じられる場合がある

検察庁としては刑罰を執行しなければならず、支払えないからといってそのまま放っておくことはありません。放っておくと、きちんと罰金を納めた人と不公平になり、刑罰を受けなくて良いということになるのは認められないからです。

労役場留置

労役場留置とは、罰金の支払いができないときに代わりに労役に服することです。労役とは刑罰の1つで、労役場で強制労働させられます。

(労役場留置)

第十八条 罰金を完納することができない者は、一日以上二年以下の期間、労役場に留置する。

2 科料を完納することができない者は、一日以上三十日以下の期間、労役場に留置する。

3 罰金を併科した場合又は罰金と科料とを併科した場合における留置の期間は、三年を超えることができない。科料を併科した場合における留置の期間は、六十日を超えることができない。

4 罰金又は科料の言渡しをするときは、その言渡しとともに、罰金又は科料を完納することができない場合における留置の期間を定めて言い渡さなければならない。

5 罰金については裁判が確定した後三十日以内、科料については裁判が確定した後十日以内は、本人の承諾がなければ留置の執行をすることができない。

6 罰金又は科料の一部を納付した者についての留置の日数は、その残額を留置一日の割合に相当する金額で除して得た日数(その日数に一日未満の端数を生じるときは、これを一日とする。)とする。

引用元:e-Gov法令検索 刑法第18条

労役場留置の刑罰が適用される場合は、判決の言い渡しの際に、1日の労役がいくらになるかとともに、裁判所が決定します。

労役場留置は罰金刑の代わりなので、労役途中でご家族の方などから残りの金額が支払われれば、労役場留置は終了します。

刑事事件の罰金刑を回避するには

罰金刑も前科になります。罰金刑を含む刑罰を回避するためには、以下のような方法を検討しましょう。

速やかに弁護士に相談する

罰金刑を回避するには、まずは速やかに弁護士に相談し、起訴される前に対策をとりましょう。経験豊富な弁護士であれば、これまでの経験をもとにどういう対策をとるべきか判断してくれます。

被害者と示談をする

罰金刑が科せられるのは、被害者がいるケースが多いので、なるべく早く弁護士に相談し、被害者との示談交渉をすすめてもらうのが良いでしょう。

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まとめ

罰金刑は、財産刑の1つで前科がつきます。罰金刑を受けないためには、事件を起こしたらすぐに弁護士に相談しましょう。被害者がいる事件ならば、弁護士が示談交渉でき、示談が成立すれば不起訴処分の可能性が高まります。

ネクスパート法律事務所では、ご相談を24時間受け付けておりますので、まずはお電話、メール、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

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