更新日:2026年4月21日 (火)

公開日:2020年10月30日 (金)

覚せい剤事件は早めに弁護士に相談を|弁護活動の方針を解説

覚せい剤事件は早めに弁護士に相談を|弁護活動の方針を解説 覚せい剤事件は早めに弁護士に相談を|弁護活動の方針を解説

サマリー

覚せい剤の所持・使用で逮捕されると、初犯でも起訴される可能性が高く、勾留期間も長引く傾向にあります。

覚せい剤などの違法薬物は使用者の心身をむしばむだけではなく、違法薬物欲しさやその中毒症状による二次犯罪によって、他人の生命、身体、財産をも侵害する危険があるからです。

覚せい剤事件で起訴され有罪判決を受けると、本人だけでなく家族の生活にも影響を及ぼします。早期解決とその後の生活への影響を最小限に抑えるためには、なるべく早い段階から弁護士に相談することが重要です。

この記事では、覚せい剤事件の弁護方針について、以下のとおり解説します。

覚せい剤事件で早めに弁護活動をした方がいい理由
覚せい剤事件の弁護方針|罪を認める場合
覚せい剤の弁護方針|無罪を主張する場合
覚せい剤事件を弁護士に相談する流れ
覚せい剤事件の弁護士費用の相場は?
覚せい剤事件で、弁護士への相談を検討している方は、ぜひ参考になさってください。

覚せい剤事件で早めに弁護活動をした方がいい理由

ここでは、覚せい剤事件で早めに弁護活動をした方がいい理由について解説します。

覚せい剤で逮捕された場合に、早期に弁護士に依頼すべき理由としては、次の3つがあげられます。

  • 刑罰が重く、懲役刑もあり得るから
  • 逮捕後の拘束期間が長引きやすいから
  • 起訴率が高いから

ひとつずつ説明します。

刑罰が重く、懲役刑もあり得るから

覚せい剤は、他の違法薬物と比べて特に依存性が高い危険な薬物であるため、刑罰も重くなります。特に、営利目的や再犯の場合は厳しく重い処分が下されます。

初犯でも、違反行為が営利目的と認められた場合は、実刑判決が下されることがあります。

覚せい剤取締法違反の罰則

覚せい剤取締法違反の罰則は、以下のとおりです。

輸出・輸入・製造 

 

営利目的あり 無期もしくは3年以上の懲役、または情状により無期もしくは3年以上の懲役および1,000万円以下の罰金
営利目的なし 1年以上の有期懲役
所持・譲渡・譲受・使用 営利目的あり 1年以上の有期懲役、または情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金
営利目的なし 10年以下の懲役

量刑は、前科の有無(特に同種前科の有無・回数)、使用量(所持量)や依存度の高さ、再犯の可能性などから判断されます。

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逮捕後の拘束期間が長引きやすいから

覚せい剤事件で逮捕されると、48時間以内に警察から検察庁に事件が送致されます。その後、24時間以内に検察官が裁判官に勾留を請求します。

覚せい剤事件で逮捕された場合、高い確率で勾留されます。隠している覚せい剤を捨てたり、売人と口裏合わせをしたりするなど、証拠隠滅のおそれがあるからです。

令和3年版犯罪白書によれば、令和2年における覚せい剤取締役法違反で逮捕された場合の勾留率は74.7%です。

令和3年版 犯罪白書 第2編/第3章/第3節/6 (moj.go.jp)

裁判官が勾留を認めると、10日間勾留されます。捜査が完了しなければ最大で10日間勾留期間が延長されます。勾留が延長された場合は、逮捕から最大で23日間身柄の拘束が続く可能性があります。

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起訴率が高いから

覚せい剤事件で逮捕された場合、高い確率で起訴されます。被害者がいる事件と異なり、示談成立によって起訴を回避できないことや、再犯率が高いことなどが理由です。

令和3年版犯罪白書によれば、令和2年における覚せい剤取締役法違反の起訴率は77.2%です。

令和3年版 犯罪白書 第4編/第2章/第3節/1 (moj.go.jp)

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覚せい剤事件の弁護活動の方針|罪を認める場合

ここでは、覚せい剤事件において罪を認める場合の弁護活動の方針を解説します。

覚せい剤事件は、被害者のいない犯罪であるため、被害者との示談成立を目指す弁護活動は行いません。弁護士は、ご本人の反省状況や更生意欲を示し、再犯可能性がないことを主張して、早期身柄の釈放、不起訴処分の獲得、執行猶予・減刑の獲得を目指した弁護活動を行います。

そのためには、ご本人に覚せい剤使用の危険性や依存性を認識・反省し、更生意欲を示していただくことが重要です。具体的なポイントは以下のとおりです。

  • 取り調べに素直に応じる
  • 専門の医療機関や更生支援団体のサポートを受ける
  • 家族のサポートを受ける
  • 覚せい剤との接触をなくす

ひとつずつ説明します。

取り調べに素直に応じる

警察や検察からの取り調べには素直に応じましょう。

弁護士は、検察官に身柄の釈放を求める意見書を提出したり、裁判所に勾留決定に対する準抗告を申立てたりして、早期釈放を目指し弁護活動を行います。取り調べに素直に応じ、捜査に協力することで、早期釈放が認められる可能性があります。

早期釈放が認められるための主な条件は、以下のとおりです。

  • 初犯である
  • 営利目的のない覚せい剤の単純所持・使用である
  • 覚せい剤使用の危険性や依存性を認識し十分に反省している
  • 再犯の可能性がない
  • 覚せい剤の押収、家宅捜索を終えている
  • 入手ルートを包み隠さず打ち明けている
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専門の医療機関や更生支援団体のサポートを受ける

覚せい剤事件は、再犯率が高い犯罪です。

令和3年版犯罪白書によれば、令和2年における覚せい剤取締役法違反の再犯率は70.1%です。再犯率が高い理由としては、違法な薬物には強い依存性が認められることが挙げられます。

令和3年版 犯罪白書 第5編/第2章/第1節/3 (moj.go.jp)

二度と手を出さないと決意しても、自分だけの力で覚せい剤依存から抜け出すことは非常に困難です。覚せい剤を断ち切るためには、専門の医療機関や更生支援団体のサポートを得ることが重要です。

薬物依存症の治療を早期に開始することで、覚せい剤依存から脱却でき、再犯の可能性を減らせます。それにより、ご本人の更生意欲や再犯可能性がないことを示し、減軽を求めた弁護活動が可能となります。

具体的には、以下のとおり、専門医療機関・施設等における薬物依存症治療や活動への参加について、施設等の紹介・支援活動を行います。

  • ダルクなどの更生施設における離脱プログラムへの参加
  • カウンセリング・自助グループへの参加
  • 専門医療機関への通所・治療

家族のサポートを受ける

ご本人が今後覚せい剤に手を出さないよう、家族や親族が監督する旨の誓約書を取り付けます。その他、生活環境の整備・改善等について家族のサポートを受け、ご本人に有利となる証拠を集めて検察官や裁判官に提出します。

ご本人の更生への決意・意欲・それらを補完する環境を示し、早期身柄の釈放や減刑を目指した弁護活動を行います。

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覚せい剤との接触をなくす

覚せい剤を断ち切るためには、違法薬物に関係する人間関係を清算しなければなりません。

覚せい剤の入手先だけでなく、覚せい剤を一緒に使用した経験がある仲間や組織とは決別することが重要です。

覚せい剤の弁護活動の方針|無罪を主張する場合

ここでは、覚せい剤事件において無罪を主張する場合の弁護活動の方針を解説します。

覚せい剤と認識できなかったことを示す証拠を集める

逮捕されたご本人が、知らぬうちに覚せい剤を所持していた場合や、自分の意思で覚せい剤を使っていないケースなどもありえます。具体的には、次のようなケースです。

  • 覚せい剤が入ったバックを知人から預かったが中身に覚せい剤があるとは知らなかった(バッグの中に何らかの違法な薬物が入っている認識がなかった場合に限る)
  • 知らぬうちに自分の自宅に知人が覚せい剤を隠していた
  • 中身が覚せい剤であることを知らずに運び屋にされた
  • 体の自由を奪われ無理やり覚せい剤を注射された
  • 知らないうちに覚せい剤を飲み物に混入された

このような場合は、周辺人物を調査したり、ご本人が覚せい剤と認識して所持・譲渡・使用していなかった客観的証拠を収集したりします。

ただ、所持・使用していたのが覚せい剤だったと認識していない場合であっても、自分が所持・使用したものが法規制の対象となっていて心身に有害な薬理作用を有する薬物であるという認識があったと認められる場合には、故意があることになります。

捜査の違法性を主張する

覚せい剤事件では、捜査機関による違法な捜査が行われやすい傾向にあります。

具体的には、以下のとおり行き過ぎた捜査手法が問題となることがあります。

  • 警察官に強制的に衣服を脱がされて覚せい剤をとりあげられた
  • 警察官に無令状で自宅を捜索されて覚せい剤が発見され、逮捕された。
  • 任意の取調べ中、長時間にわたって警察署に拘束され我慢できずに出した尿を採取された

このようなケースでは、捜査機関による捜査に違法性がなかったかを検証し、違法捜査の事実があれば、捜査機関に強く抗議します。

違法捜査で押収した覚せい剤や尿を、裁判の証拠から除外すべき旨を主張して無罪を主張します。

嘘の自白をしない

捜査段階では、ご本人が否認を続けても警察や検察があの手この手を使って自白するように働きかけることがあります。虚偽の自白をしてしまった場合、その自白を証拠として、有罪判決が下される可能性があります。

虚偽の自白であっても、一度した供述を取り消すことは困難です。そのため、捜査機関からの圧力に屈して虚偽の自白をしないよう弁護士が法的な助言を行います。

早期に弁護士に依頼すれば、逮捕後も自由に接見(面会)できます。取り調べへの対応方法について具体的なアドバイスが得られます。

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覚せい剤事件を弁護士に相談する流れ

ここでは、覚せい剤事件を弁護士に相談する場合の流れについて解説します。

電話・メールで相談

ご本人またはご家族が逮捕されたら、早急に弁護士に相談し、面談予約をお取りください。ご相談の概要をお聞きして、面談日時を調整します。

覚せい剤事件は、迅速な対応が不可欠であるため、電話でのご相談をおすすめします。

面談

ご予約日に対面で面談し、事件の内容やご本人の事情をお聴き取りしたうえで、具体的な弁護活動の内容や解決までの見通しについてご説明します。ご依頼いただいた場合の弁護士費用のお見積りもご案内します。

身体拘束を受けている方に対しては、弁護士が勾留場に出向して面会し、事件の内容などを詳しくお聞きします。

ご契約・刑事弁護開始

弁護活動の方針や費用にご納得いただけた場合には、委任契約を締結します。契約に際しては、弁護士が丁寧にご契約内容についてご説明します。

契約締結後、ご提案した方針に基づき、弁護活動を開始します。

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覚せい剤事件の弁護士費用の相場は?

覚せい剤事件の弁護士費用の相場は、合計で60万円〜150万円程度です。

ここでは、弁護士費用の相場の内訳を解説します。

着手金

刑事事件では、起訴されるまでの捜査段階における弁護活動と、起訴後の公判段階における弁護活動があります。

それぞれの着手金の相場は以下のとおりです。

  • 捜査段階  22万円~33万円(税込)
  • 公判段階  44万円~55万円(税込)

着手金とは、弁護士が弁護活動を開始するための費用です。結果の成果を問わず、原則として返金されません。

報酬金

弁護活動の成果(早期釈放・不起訴・減刑・無罪の獲得)によって、成功報酬が発生します。成功報酬の相場は、33万円~88万円(税込)です。

実費・日当

実費とは、弁護士が本人との面会(接見)のため留置場に赴く際の旅費交通費や記録謄写料です。

旅費交通費とは別に、接見や遠隔地への出張に日当がかかることがあります。

日当の相場は、2万2,000円~5万5000円(税込)です。

まとめ

覚せい剤事件は、被害者がいないため示談をして不起訴処分を目指すことが難しい事件です。薬物依存症から脱却し、更生するためにも周囲のサポートが重要です。

早い段階から弁護活動ができるよう、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。個別の事情については弁護士に相談するとよいでしょう。

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