更新日:2025年3月4日 (火)

公開日:2025年3月4日 (火)

相続放棄の取消しはできるか?認められるケースと方法を解説

相続放棄の取消しはできるか?認められるケースと方法を解説 相続放棄の取消しはできるか?認められるケースと方法を解説

サマリー

被相続人が借金を多く残した場合、相続人は相続放棄ができます。

相続放棄をしたあとに被相続人の財産が見つかった場合、取消しはできるのでしょうか?

この記事では、相続放棄の取消しができるケースと手続き方法等について解説します。

相続放棄の取消しはできるか?

相続放棄の取消しができるか、以下で解説します。

申述受理後の取消しは原則認められない

申述受理後の相続放棄の取消しは、原則認められません。

相続放棄は家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出して申し立てます。

家庭裁判所が相続放棄の申述を受理した後は、相続放棄の取消しはできません

申述受理前なら取下げが可能

家庭裁判所に相続放棄の申述書が受理される前であれば、取下げが可能です。

相続放棄の申述書が受理されるまでだいたい1か月かかるので、取下げを希望するのであればこの期間内に行います。

相続放棄の取消しが例外的に認められるケースは?

相続放棄の取消しが例外的に認められる3つのケースを紹介します。

未成年者等の制限行為能力者が単独で行った場合

未成年者、成年被後見人、被保佐人、被補助人が単独で相続放棄の手続きをした場合、取消しが認められます

未成年や成年被後見人等は判断能力がない制限行為能力者なので、単独で行った法律行為は取消しができます。

重大な錯誤により相続放棄をした場合

相続放棄が重大な錯誤に基づいて行われた場合取消しが認められるケースがあります。

例えば、被相続人に多額の借金がないにもかかわらず、借金があると思い込んで相続放棄をしたケースです。

ただし、錯誤を理由とした相続放棄の取消しがすべて認められるわけではありません。相続財産の調査が不十分という点に申述人の重大な過失が認められると、相続放棄の取消しは認められないでしょう。

重大な錯誤による相続放棄の取消しを求める場合には、弁護士に相談をしながら手続きを進めたほうがよいでしょう。

詐欺や脅迫で相続放棄をした場合

詐欺や脅迫をされてやむを得ず相続放棄をした場合、取消しが認められるケースがあります。

詐欺や脅迫があったのなら、自分の意思で相続放棄をしたわけではないからです。

相続放棄の取消しができる期限は?

相続放棄の取消しができる期限はいつまでか、2パターンを紹介します。

追認できる時から6か月以内

相続放棄の取消しは、追認できる時から6か月以内です。

追認できる時とは、取消しができると知り、かつ、取消し原因が消滅した時を指します。

相続放棄の申述が受理された日から10年以内

相続放棄の申述が受理された日から10年以内であれば、取消しが可能です。

この2パターンのいずれも期限を過ぎると取消権は消滅します。

相続放棄の取消しの手続き方法は?

相続放棄の取消しが認められる場合の手続き方法について解説します。

家庭裁判所に相続放棄取消申述書を提出する

相続放棄の取消しが可能だと確認できたら、相続放棄の手続きをした家庭裁判所に必要書類を提出します。

標準的な提出書類は以下のとおりです。

  • 相続放棄取消申述書
  • 被相続人と相続放棄をした人の戸籍謄本
  • 相続放棄申述受理証明書
  • 800円の収入印紙
  • 返信用郵便切手(裁判所によって異なる)

状況によっては取消原因を証明できる証拠書類の提出が求められる場合があります。

家庭裁判所によって審査が行われる

家庭裁判所へ所定の書類を提出すると審査が行われます。

通常は書類のみで審査が行われますが、家庭裁判所から呼び出しを受けたり照会書が届いたりするケースもあります。

家庭裁判所に相続放棄取消申述書が受理される

審査の結果、相続放棄の取消しが認められると家庭裁判所から相続放棄取消申述受理通知書が届きます

これが届けば手続きが完了し、最初から相続放棄はしなかった扱いになります。

相続放棄の取消しが認められたらどうなるか?

相続放棄取消の申述が受理されても、その取消しの効果が確定するわけではありません。

既に共同相続人間で遺産分割協議が成立していたり、相続財産の処分が完了していたりする場合には、相続放棄の取消しの効果が争われる可能性があります。

この場合、別途遺産分割調停・審判や民事訴訟などにおいて、取消原因が存在することを改めて立証しなければならないことがあります。

もっとも、相続手続きが進んでいない段階であれば、相続人として遺産分割協議に参加できます。

相続放棄は慎重に!取消しは簡単に認められないので弁護士に相談を

相続放棄の取消しは簡単に認められないため、慎重に行わなければいけません。

相続が発生したら被相続人の財産調査を念入り行い、漏れがないようにしましょう

財産調査や相続放棄をするかどうかの判断には専門知識が必要な場合もあるため、弁護士に相談をしながら進めたほうがいいかもしれません。

相続が発生し、すぐに弁護士に依頼すれば財産調査も正確に行えますのでおすすめです。

まとめ

相続放棄の申述が受理された後に、被相続人に財産があったことがわかれば取り消したくなるのが自然でしょう。ただし、原則相続放棄の取消しはできないため、相続放棄を検討する場合は慎重に行いましょう。

ご自身での判断が難しい場合には、弁護士に相談をし、相続放棄以外の方法がないかアドバイスを受けたほうがよいかもしれません。

ネクスパート法律事務所には、相続全般を得意とする弁護士が在籍しています。相続発生から相続登記まですべてお任せいただけるプランから相続の段階に応じたプランがあります。初回は30分相談が無料となりますので、相続でお困りの方はぜひ一度ご連絡ください。

コラム監修者

Shunsuke Teragaki

Shunsuke Teragaki

所属:第二東京弁護士会

広島県広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部、青山学院大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所の代表弁護士として、依頼者に最適な見通しと戦略的な解決策を示すことを信条とし、丁寧かつ粘り強い対応で信頼を築いている。

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