更新日:2025年1月29日 (水)

公開日:2025年1月29日 (水)

遺産分割協議書に印鑑証明書が不要なケースは?

遺産分割協議書に印鑑証明書が不要なケースは? 遺産分割協議書に印鑑証明書が不要なケースは?

サマリー

相続が発生し遺産分割協議を行った場合、遺産分割協議書の作成が推奨されています。

その際、遺産分割協議書に印鑑証明書を付けるケースが多いですが、中には不要な場合もあります。

この記事では印鑑証明書を付ける必要がないのはどのようなときか、解説します。

遺産分割協議書に印鑑証明書が不要なケースは?

遺産分割協議書に実印を押し、印鑑証明書を添付しなければならない規定はありません。

しかし、相続登記や金融機関での手続きで実印の押印と印鑑証明書の添付が求められるため、遺産分割協議書に実印を押印し、印鑑証明書を添付することを推奨しています。

もっとも、相続人が置かれている状況によっては印鑑証明書が不要なケースがあります。以下でそれぞれ解説します。

相続人が海外に居住している場合

相続人が海外に移住している場合印鑑証明書が不要となります。

日本国内に住所登録をしていなければ、印鑑登録ができないためです。

この場合、代わりにサイン証明を遺産分割協議書に添付します。サイン証明は居住している国の在外公館へ行き、領事の面前で署名をして本人のものだと証明をしてもらうものです。

海外在住者がいる場合の相続手続きについては、別記事で詳しく解説しておりますので参考にしてください。

 

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相続人が未成年者の場合

相続人が未成年者の場合、単独で相続手続きができないため、未成年者の印鑑証明書は不要となります。

遺産分割協議は法律行為なので、未成年者の場合は法定代理人である親権者が行わなければならないからです。この場合、親権者の印鑑証明書が必要となります。

なお、親権者も相続人の場合は利益相反となるため、家庭裁判所へ特別代理人の選任を申立てます。特別代理人が選任されたら、その者が印鑑証明書を提出しなければいけません。

相続人が刑務所に収容されている場合

相続人が刑務所に収容されている場合、印鑑証明書は不要となります

刑務所に収容されていると印鑑証明書の取得ができないからです。

この場合、刑務所に収容されている相続人は遺産分割協議書に署名・拇印をして、収容されている刑務所長の奥書証明(収容されている者の拇印であると証明するもの)を付けます。これが印鑑証明書に代わる措置となります。

遺産分割協議書に印鑑証明書の添付を拒否する相続人への対処法は?

遺産分割協議でもめた場合、決定した内容に不満を持つ相続人が印鑑証明書の提出を拒否するケースがあります。その場合の対処法を以下で解説します。

印鑑証明書が必要な理由を説明する

印鑑証明書が必要な理由を相続人に対して丁寧に説明しましょう。

多くの相続手続きで、相続人全員の実印を押した遺産分割協議書と印鑑証明書が要求されます。

遺産分割協議書に実印を押して印鑑証明書を添付する規定がないにもかかわらず、実印を押して印鑑証明書の添付が推奨されるのは、相続手続きをスムーズに行うためです。

実印の押印と印環証明書の提出を拒否する相続人に対して、結局は自分自身のために必要である点を説明し協力を求めましょう。

具体的には、以下の相続手続きで遺産分割協議書への実印の押印と印鑑証明書の添付が求められます。

  • 不動産の相続登記
  • 金融機関での預貯金の払戻し、解約、名義変更
  • 株などの名義変更
  • 車の名義変更
  • 相続税の申告

遺産分割調停を申し立てる

印鑑証明書が必要な理由を説明しても納得してもらえない場合、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に遺産分割調停を申立てましょう。

調停を申立てれば、家庭裁判所の調停委員が間に入って調整をするので話し合いがまとまる可能性があります。

ただし、相続人の中に一人でも調停で示された案に反対する人がいれば調停は不成立となります。その場合は自動的に審判手続きに移行します。

審判になった場合は裁判所が問題を解決する方法を示します。最終的には、裁判所が出した判断で相続手続きが進められます。たとえ相続人の中に反対する人がいても、手続きは進められます。

調停調書または審判書があれば、各機関での手続きにおいて、当該財産を取得する相続人以外の印鑑証明書の提出は不要です。

遺産分割協議書でトラブルがある場合は弁護士に相談を

遺産分割協議書でトラブルが生じた場合は、弁護士への相談をおすすめします。

相続に関する話し合いは、それぞれの想いがあるためスムーズにいかないケースが多々あります。とかく感情的になりがちなので、一度こじれると話をまとめるのが困難です。

弁護士は代理人となって交渉ができる唯一の専門家です。弁護士が間に入れば、冷静に話し合いが進む可能性がありますので、遺産分割協議でもめそうだと感じたら早めに相談をしましょう。

遺産分割調停の申立てを検討している場合は、迷うことなく弁護士に相談をしたほうがよいです。

調停の申立ては弁護士に依頼しなければならないものではありませんが、裁判所へ提出する書類の作成など、時間がかかります。慣れていないと書類の不備を指摘され、時間を余計に取られてしまう可能性があります。

無理をせずに相続案件に強い弁護士に依頼をしましょう。

まとめ

実印を押して印鑑証明書を提出するのに拒否反応を示す人は少なくありません。一般的に簡単に実印を押してはいけない、印鑑証明書を渡してはいけないといわれている点も影響していると思います。

遺産分割協議書に関しては、決定した内容に不満を持つ相続人が拒否する傾向があると思われますので、実印の押印と印鑑証明書添付の必要性を論理的に説明するほかありません。それでも納得してもらえない場合は、弁護士に相談をして調停の申立てを検討しましょう。

ネクスパート法律事務所には、相続全般に強い弁護士が在籍しています。初回相談は30分無料となりますので、遺産分割協議でトラブルを抱えている方は一度ご相談ください。

コラム監修者

Shunsuke Teragaki

Shunsuke Teragaki

所属:第二東京弁護士会

広島県広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部、青山学院大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所の代表弁護士として、依頼者に最適な見通しと戦略的な解決策を示すことを信条とし、丁寧かつ粘り強い対応で信頼を築いている。

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